1.国境は箱根の山より険しかった(ヒースロー空港にて)
初めて英国を訪れたときは夏でした。
夏目漱石のエッセイや、シャーロック・ホームズにでてくるような重く暗い空はなく、夜も10時頃まで明るかったので、書籍類から仕入れた英国の印象はどこかに飛んでいってしまったものでした。
2回目の訪問となる今回は、正月気分も残る1月5日。半年も前に申し込んだホームステイ先も、住所すら知らせてこなくて、自分がどこに住むかもわからない(学校の近くと言うことは確かだったけど・・・)という、なんとも心細い状態でした。
でも、何より心細いのは、私の語学力だったのは言うまでもありません。
■STUDENT VISA と SIGHTSEEING VISA
最近ではほとんどの国が、事前のビザ[VISA]の発給無しに入国できるようになっています。"パスポート[passport]さえあれば”海外旅行に行けてしまうので、すごくお手軽です。
英国もパスポートをもって、空港内のイミグレーション・オフィス[IMMIGRATION OFFICE](出入国管理局)を通過すれば、ほぼ自動的に6ヶ月滞在可能な観光ビザ[SIGHTSEEING VISA]を難なく取得できます。
目的(観光・ビジネスなど)と滞在期間、最初の宿泊先を聞かれるくらいの質問に英語で受け答えすればそれでOKです。
1年程度滞在するにしても延長は可能だし、切れそうになったら他の国に一度遊びに行くという手もあります(あまり何回もやると足止めされるカモ?!)。
ただ、学生ビザ[STUDENT VISA]となると事情は全然違ってくるもの。
事前に必要なものを用意しなければなりません。
- 事前に申し込んだ学校のDeposite(入学金のようなもの)の領収書
- 学校の入学許可書(半年以上)
- それなりの現金(5、60万位。カードは不可。銀行の残高証明書、トラベラーズチェック等)
- 帰りの航空券(半年間以上有効なOPENチケット)
自分の語学力はまったく当てにできないので、これらに加え英文の手紙も用意してみたりしました。 「学生ビザをください。その為にこれらのものを用意しました。確認ヨロシク・・・。」と・・・。
個人の入国者は、ツアー客とは違う窓口に並びます。ここから急に日本人が少なくなるので、「海外に来たゾ」気分はますます上昇。
背の高い英国人らしきビジネスマンの後ろから、どきどきしながらデスクでチェックをしているスタッフを観察したりします。
「1番の窓口の人はきびしそうだなあ。6番がいいなあ・・・。」なんて思いながら・・・。
20分は待ったでしょうか?
私の番になり、傍らに立っていたスタッフが「3番へ」(数字位は聞き取れて、ホッ)と案内をしてくれました。結構やさしそうな男の人だ・・・ラッキー・・・。
「Hello」といいながら必要なものを全部台の上にだすと、そのスタッフは黙ってパスポートをチェックし、英文の手紙を読んでいます。
そして「×□×・・・△○×□×○△□!!」と、私が今まで聞いたこともないような早口の英語で話しかけてきました。
顔は笑っていても、結構迫力!!「わっかんないよ〜。」とうろたえる私。
英単語を繋げて、「6ヶ月の入学許可書があるので、STUDENT VISAが欲しい。」ということを伝えました。
相手も「そんな事を聞いてるんじゃない」という感じで再度「×□△ fee ×△○× not □○ your ×○△□・・・」。
ここでやっと、私が全く聞き取れないことを理解してくれたようで、少し速度が遅くなります。
結局、私のこの窓口でのやり取りは30分近くに及びました。待っている人々はさぞ不思議だったことでしょう。窓口に客も係りもいるのに、話し声がしないのだから・・・。
・・・そう、私たちは最後の手段、"筆談"をしていたのです。
でも、現地の人の英語って、ブロックでもなければ筆記体でもない、適当にアルファベットをつなげて書くので、これもまた私には難解だっでした。
そんなこんなで、私が手にすることができたのは、なんと普通の観光ビザだったのです。
何でも、デポジット[Deposite](入学金・一時金)が安すぎる(私立の語学学校ではなく、破格に安い市民大学風の公立学校だった為)というのが理由らしいのですが・・・。確かに、Depositeも授業料も安い学校を選んだけど・・・学校は学校じゃないの?!。
■学生ビザ[STUDENT VISA]のメリット
こんなに苦労してまで何故、学生ビザが欲しかったのか?!
それは学生ビザを持っていると、アルバイトができるからに他なりません。
長期滞在、お金はたくさん有ったほうが良いに決まっています。日本からだと、異常に遠い国々に、安く早く行かれる折角の機会です。
それに、アルバイトをしたほうが英語を覚えるに違いありません・・・。
勿論、ビザを持っていればすべてOKというわけでもありません。
実際働くまでにはまた、途方もない苦労をすることになるのですが(が、それは別の機会に)。
ビザの有効期間が長いのも魅力です。先に書いたとおり、一度海外に行って・・・という手もありますが、切れる時期にうまく休みがあるとも限らないし旅行に行ける余裕があるとも限りません。
(それ以外の延長方法は、お勧めできません。場所的にも語学的にもとっても苦労するからです(一応経験済み)。
かくして、ビザを受け取った私は、特大のスーツケースとショルダーバックを二つカートに乗せて出口へと向かったのです。
極度に緊張したせいで、かなり疲労度はUPしているけれど、がんばって迎えにきている人を探さなくっちゃ、と。
学校が紹介してくれたホームステイ斡旋のエージェントの人が来てくれると言っていたし、住所は聞いてないけど、その人たちが私をホストファミリーの家まで連れってってくれるはずだし。
今日着ている服の自画像イラストを前もってFAXしておいたから、彼女(彼?)が私を見つけてくれるはず・・・。 |