3.霧の(?)ロンドン

自作航空写真 飛行機を降りてからすぐに母に手紙を出す約束をしていました。なぜって、両親はおろか私自身もこれからどこに住むのか判らなかったから・・・。
でも想像以上に早い英語のテンポに色をなくし、とてもじゃないけど「これから住む家の住所を今ここで教えてください。手紙を書かせてください。」なんて言えませんでした。
迎えに来てくれたエージェントの夫婦はとても大柄で「いかにも」といった感じの英国人でした。
彼らのTOYOTA車の後部座席に座ると、英国では後ろでもシートベルトをしめなければいけないことを教えてもらいました。
地下から地上に出ると思いのほか薄暗く、すでに朝7時になっているとは思いがたい景色です。
夏の夜が短い分、冬の朝が遅いのは当たり前なのですが、まさかここまで・・・と驚きました。

渡英前の私のロンドン[London]のイメージは「霧」でした。なんの小説だったか、主人公が列車からLondonの町に降り立つと雲の中のように霧が立ち込めている、とても印象深いシーン・・・。
そのシチュエーションに少なからず期待していたのですが、英国滞在が2週間過ぎても、霧を見ることはありませんでした。

■FIRE PLACE & FOG

語各学校での授業中、偶然"霧"の話になりました。
以前、ロンドンが霧に包まれていた原因として、各家庭に当たり前のようにあった暖炉や、産業革命時に乱立した工場の煙突があげられます(科学的な説明がちょっとできない・・・)。
暖炉も、暖房設備が発達すると少なくなっていき、今では法律で規制されています。たまにPub(パブ)等で見かけられる暖炉は、煙突に機械がついていて、有害な煙を外に出さなくなっているそうです。

使用を禁止する他、暖炉を板で覆うことが義務付けられているエリアや建物もあるそうですが、リビングに暖炉がある家庭は少なくありません。
そこには日本でも見かける、コンセントを指せば赤く輝く炭が模してある暖房器具が置いてあったり、何も無かったり、とさまざま。
一回だけ実際に暖炉を使っている家庭に住む機会がありましたが、部屋の明かりは暖炉とTVだけでなんとも暖かい色合いをしていました。すごくいい感じ!
時折飛び出す火の粉の音に耳を欹てている犬、手に持つグラスに移るきれいな炎、なんてうっとりしていると・・・鼻をかんだ紙を投げ込むお父さんがいたりして・・・。

■London of today

そんなこんなで、結局11ヶ月間滞在していたうちに、うっすらとした霧を見たのは3、4回でした。
もう少し早く起きればもっと見たのかも知れないけれど、私の中では"霧のロンドン"のイメージは薄れ、もう一つの"雨のイギリス"がクローズアップされてしまっていました。
それでもあの暖炉の温かさは魅力的で、また是非味わいたいと思います。
近代的なPubではあまり見かけないから、リッチモンド[Richmond]の学校の帰りによく行ったあの店に、またいつか行きたいと思っています。

1st March 1999