11.アダムス家の食事情

"英国の食事はまずいか?!"でも書いた通り、英国の家庭料理、特に茹ですぎた野菜にはほとほと困りものであります。
まずくて、オイリッシュで、量が多くて、さらに「もういらない」と言えない日本人は(言ったとしても大抵の場合"遠慮してる"と思われるので減らない)外国で、ただ、ただ、太るだけ・・・。
でも、私は今回の家庭、アダムス[Adams]家にはちょっと期待をしていました。
なぜならば奥さんがフィリピンの人だから、です。
奥さんが料理すれば多少でもアジア的要素が混じり、レパートリのある食事が出てくるのではないかと考えていたのです。
万が一まずかったら、NZで特に太ってしまった私なので、「量を減らして!いや、謙遜じゃないよ!本当に多いの!」と正直に、直接に言えばいい、そう、ダイエットにもなるじゃん!と。
しかして結果は、そのどちらにも転ばなかったのです。

■Breakfast

料理中夏休みの子供たちの朝はかなりゆっくりなアダムス家。
お父さんのトレバー[Trevor]曰く、「英国人の僕からすると早く起きるのが普通なんだけど、フィリピン式だと朝はゆっくりでいいみたいだからさ…。」とのこと。
8時にはコーンフレークの朝食を済ませたトレバーと、何も朝は食べないお母さんのミニー[Minne]が仕事にでかけます。
9時半も近くなって子供たちと私は起き出します。
私はすぐに2枚のトーストとミルクティーを食べますが、子供たちは頭がまだ寝ているのか、それともお腹が空かないだけなのか、ボーっとテレビを見ているコトがほとんどです。

しばらくしてからクリストファー[Chirstpher]はコーンフレークを砂糖とミルクで、シャーロット[Charlotte]はトーストを2枚、ジャムで食べます。
彼女はトーストは好きですがパンのみみは嫌いなので、そこだけきれいに食べ残します・・・とっても器用・・・。
基本的に彼らの飲み物はコーラ、チェリーエード、ペプシなどの炭酸類です。
幾等"ダイエット"とついていてもあれはどうなんでしょう。
紅茶やコーヒーは大人の飲み物なんでしょうか(そして大人も炭酸類を浴びるほど飲む…)。

■Lunch

休みの日のお昼は冷凍ピザやインスタントヌードルを食べるのですが、トレバーは「軽いものしか食べられない。」と言ってサンドウィッチを作って食べています。
ミニーは子供たちと同じものを食べています。
意外と食の細いトレバー、その恰幅の良いおなかは、やはりまっピンクのチェリーエードのせいでしょうか・・・。

子供達は今夏に限り、昼食はジャパニーズ・ヌードルがメインとなりました。
日本の麺と言っても、私は冷麦しか持っていかなかったので、それを温麺にして醤油とダシの汁で食べるのがスタンダード。
クリストファーは好き嫌いがほとんどないので、私とまったく同じ物(炒めた野菜やワカメをのせて)を食べますが、如何せん、シャーロットは好き嫌いが激しい!
ハムは好きなのですが、それがなかったときは「Just plain noodle, pleeeeeese!」と、調理している私の横で哀願します(涙目状態で)。
量も少ないので食べた気がしないのではないでしょうか、あれでは…。
それに濃い味付けが好きなのはわかるけど、食べる前に醤油を入れすぎて食べられなくしてしまうのにも困りものです。

流石に毎日そうめんというわけにはいかないので、他にパンケーキ、お好み焼き(モドキ)、パスタ、焼きビーフン、中華麺のヤキソバ風など、私なりにアレンジ&工夫をして出しました。結構どれも好評でした。
私が持参したものが終われば、無くなるかと思われていた温麺も、ミニーの買ってきた韓国産のそうめんで継続されていました。

■間食

当初私を、"甘い人間"と思っていた二人(特にシャーロット)は四六時中お菓子を口にしていました。
私が日本からお土産として持ってきたポッキー等、数種10箱にも及ぶスナックは2日で無くなってしまうという勢いです(ポッキーはどこに持って行っても大好評!意外とおいしい&珍しいモノなのです)。
「こっちの子供はそんなものなのかな?他人の方針に口出さないほうがいいし。」なんて最初は考えていましたが、あまりにもシャーロットの無節操さに疑問を感じてきました。
それに何よりも彼女のぽっこりと出たお腹が・・・!
幼稚園の子供ならともかく、8歳にもなる女の子のお腹があれでよいのだろうか?とある晩トレバーとミニーにその事を尋ねてみました。
2人が言うには、どうやら彼らは家にいる大人が私だけだから、躊躇いもせず食べていたらしいのです。
結局、朝とお昼の間に1回、昼と夕食の間に1回のおやつが許され、しかも量は私に一任されることになりました。

共稼ぎの為、おやつは買ったものが多いので、たまにおやつを手作りもしました。
簡単なものならゼリー類、時間があればマドレーヌや簡単なケーキなど。どれも好評で満足♪

■Dinner(Supper?)

料理中さて、ここまで読むと「アダムス家の人々は小食だ。」と思うのが普通なのですが、すぐにそれが誤解だということがわかりました。英国の家庭ではよくあることですが、多いのです、夕食が。
私の予想を大きく反したのが、この家庭でのメインの料理人はお父さんのトレバーだと言うことでした。
ミニー「料理ができるから結婚したのよ。」といっているぐらいの腕前!

生粋の英国人が作る彼の料理には、意外にも茹ですぎた野菜は出てきませんでした。
そのことを尋ねたら「あれはまずいよねぇ。」と笑って答えていました。家庭次第ってことなんでしょうか???
彼の作る料理は、基本的には純英国料理ですが、そのレパートリーは結構広かったので驚きました。
特に、私がいるので「できるだけ色々な英国料理を。」と考えていてくれているようでした。
ヨークシャープディングそのものをを作ったりはしませんが、ビーフシチューを一日かけて煮込んだり、それが残れば次ぎの日にミンスを煮込んでヨークシャープディングと一緒に出してくれたり・・・
たまにテイク・アウェイのフィッシュ&チップスやピザハットで済ます事もあるけれど、英国人の家庭としてはその回数はかなり少ないと思います。

ヨークシャープディング・ミンスミートビーフシチュー「味のない料理」と日本人に知られる英国料理ですが、彼の料理には濃いペッパーソースなども添えられていたりもします。
どちらかというと味が濃い、私には濃すぎるくらい・・・。
そのことも尋ねてみました。曰く、「味が無いわけじゃないよ。それで料理が終了したわけじゃないんだ。自分でこのみの量のペッパーと塩をかけるのが一般的な方法なだけだよ。」と。おもわず納得。
だから食べもしないで醤油をかけるのね、シャーロット。確かに、すべて彼ら好みの味付けをされたら私は食べられないので、個人の好みで最後の味付けをするのは、合理的な英国人らしいと言えるかもしれません。

ブラック・ベリッィを摘むおこちゃまアップル・クランブル

■ETC

トレバーは料理が好きなのでしょう。
今日も私が庭先のブラックベリーに見とれていると、「食べごろだねぇ。なんか作ろうか。」とアップル・クランブルを作ってくれました。
私が痩せられそうにない理由をもう一つ。

あれだけの量を食べた後、子供たちを寝かせた後に大人だけでお茶を飲む事がたびたびありました。
スコーンだったり、チョコレートだったり、ベーコンサンドウィッチだったり…。
食べなきゃいいのは分かっているけど、結局、私は英国フードが大好きなんですよね…。

22th August 2000