「ソロキャンプ、向いてる?~ ソロキャンなまけものスタイル①」では、ヘタレでなまけものらしいキャンプへのアプローチ方法を紹介してみました。
2回目は、ガレージでの燻製の次に、ソロキャンプに踏み出したきっかけとなった「焚火」です。
Contents
復習「ソロキャン なまけものスタイル」とは
まだ2回目なので、「ソロキャン なまけものスタイル」について少し説明させてください。
最近の私ですが、完全一人でのソロキャンプを敢行し、気分的にかなりノってきているところですが、仕事が忙しかったり、天気が悪かったりして思うように経験値があがりません。
それでも「ソロキャン なまけものスタイル」では、慌てず・騒がず・・・のんびりと情報収集やイメージトレーニングをしていきたいところです(実はイメトレが一番得意だったりして・・・)。
復習になりますが、「ソロキャン なまけものスタイル」では、キャンプの定義を
そしてキャンパーの定義を
として、話を進めて行きたいと思います。
キャンプでの焚火は、カスタードプディングのバニラエッセンスのようなもの
キャンプで焚火を楽しむ人はどれぐらいいるのでしょうか?
ネットで調べてみましたが、定量的データは発見できませんでした。私がキャンプ場でざっくり見た感じですと、9割のグループは焚火をしているように思えます。
とはいえ、「ゆるキャン△」を読んでいると、「暖かいからいっか」的に焚火をしなかったり、「寒いから焚火しないと死ぬ!」と慌てて火を起していたりしています。「焚火は暖をとるため」と割り切っているキャンパーもいるということですね。
でも!
私は基本、焚火はします。いえ、したいです!
なぜならば、焚火のないキャンプは、バニラエッセンスを入れ忘れた、ちょっと間抜けなカスタードプディングのようなものと感じているからです。バニラエッセンスを入れなくても、カスタードプディングは作れますし、そこそこ美味しかったりしますよね?(卵と砂糖を混ぜたものがまずいはずがナイ!)
バニラエッセンスって、その素敵な香りに誘われて舐めてみたら、とてつもなく苦かったりする、ちょっといたずらっ子みたいなところもあります・・・でも、入れ忘れるとものすごく残念だったり罪悪感が湧いたりする、不思議なものです。
今、ここまで読んで「暖かければいらないでしょ、焚火。」と思った貴方!ゆらゆらと揺れる深紅の炎をじっくりと眺めたことがありますか?
気持ちが落ち着くのは「1/fゆらぎ」らしい
ゆらゆらと揺れる炎を見ていると落ち着いて、なんとなく「無」になることができるので、私は焚火が好きです。いえ、「無になるから落ち着く」なのでしょうか?
炎には「1/fゆらぎ」(えふぶんのいちゆらぎ)というメカニズムがあるそうです。
どこかで聞いたことがあるな・・・と思ったら、そう、「鬼滅の刃」のお館さまの声を聞いて主人公の炭治郎が、「頭がふわふわする」「不思議な高揚感だ」と思うのですよね。アレです。
専門的な文章は難しすぎてよくわからなかったので、ウィキペディアの内容をカンタンにまとめると;
- 生体のリズムは基本的には1/fゆらぎをしている
- この1/fゆらぎは 快適性と関係があることが判明している
- 人間の生体は五感を通して外界から1/fゆらぎを感知すると、生体リズムと共鳴し、自律神経が整えられ、 精神が安定し、 活力が湧くと考えられている
- 身近な現象の中で見られる1/fゆらぎには、「ろうそくの炎の揺れ」「電車の揺れ」「小川のせせらぐ音」「木漏れ日」「蛍の光」などがある
ということのようです。要するに、何かを見たり聴いたりして、ある感覚を感知すると気持ちが落ち着き、活力が湧いてくるよ・・・と。炎を見ていると心理的にとても良い状態になることができるということですね。
話はちょっと変わるのですが、先日、帰省していた小学生の姪っ子がずっと蚊取り線香を眺めていました。
何が面白いのだろうと思うのですが、「煙がゆらゆらしていて、見ていて飽きない」と。彼女の家では蚊取り線香は使っていないらしいので珍しくもあったのでしょう。
煙もそうですが、日常では炎をじっと見る機会は意外と少ないです。少し大きめの炎をじっくりと眺めることができるのも、キャンプの醍醐味と言えましょう。
焚火を楽しむキャンパーの中には、火起こしや起こした火をどのように育てるかにこだわる上級職の方もいますが、ここは「ソロキャン なまけものスタイル」なので、初心者らしく簡単に焚火を楽しみたいと思います(火が着かなきゃ、マッチやライター、着火剤を使えばOK!)。
「庭で焚火」は犯罪?
「焚火を楽しむのはちょっとハードルが高いな」とソロキャンに向けて歩き出した頃の私は思いました。
なぜなら、私が子供の頃は庭で宛名のあるハガキや書いた書道の半紙を燃やしていた母が、いつの頃からか「庭で燃やせない」と焚火をしなくなったからです。昔はその火で、焼き芋も焼いていたはず・・・。
実は「庭で焚火」そのものは、法律で明確に禁止されているわけではありません。
軽微な秩序違反行為に対しての法律である「軽犯罪法第1条9号」によると、
相当の注意をしないで、建物、森林その他燃えるような物の附近で火をたき、又はガソリンその他引火し易い物の附近で火気を用いた者を拘留又は科料に処す
とあります。また、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」によると、
- 「焼却設備を使用せず廃棄物を焼却する野外焼却」は禁止
- 庭先でのたき火、キャンプファイアー、農業者が行う稲わら等の焼却などは一部の例外
- 例外であっても、生活環境上著しい支障を生じる廃ビニールやプラスチック類の焼却や、廃棄物を減らすことを目的に行われるたき火は禁止
とされています。まとめると
ということになります。
注意したいのは、だからといって「庭先での焚火を楽しもう!」と軽々しくは言えないということです。軽犯罪法には「相当の注意をしないで」とありますが、火災に発展した場合は、重過失失火罪や消防法違反になる可能性があります。
また、かなり前の話ですが・・・私の居住地では家庭用の焼却設備購入に補助を出していました。
当時は、燃やせるゴミは燃やしゴミを減らそう・・・という事だったのだと思います。しかし、推奨したがために有害物質の出る家庭の廃棄物を燃やす人が(禁止しても)後を絶たず、結果「庭での焚火はダメ」と母が思い込むような事態(恐らく自治体から禁止命令とか)になったようです。
「焚火」≠「ごみ焼却」ですが、焚火自体をNGと思っている人は多く、人口密度や風向きによっては焚火の煙でご近所に迷惑をかけたり、(これも実話ですが)火事ではないのに消防車を呼ばれてしまったりということもあります。
ムコウ3軒両隣とよほど離れているならともかく、一般的な住宅地でご近所に迷惑をかけず焚火をするのは・・・かなりの手練れでないと不可能でしょう。焚火よりもご近所との付き合いが大事です。住宅地には住宅地のマナーがあります。
ではどうやって、焚火にトライするのか? 最初のおススメは「焚火会」です。
「焚火会」に参加してみた
私が初めて参加した焚火会は、Facebookでの知人(といっても、1回飲み会でお会いしただけの方)が主催したものでした。私の「したい」というタイミングと、先方の「やってみよう」が不思議な位ぴったり合って、これはもう焚火をする運命だったと(笑)。
その焚火会は、東京都にある小さなキャンプ場で行われました。「キャンプ場」と言うと、いきなり加速してハードルを幾つも倒している感じがしますが、ご安心ください。私はチェアリングで使うイスと、自分の飲み物だけ持参し、確か・・・4時間ぐらいの参加でした。
もちろん、焚火会によって内容は異なりますが、私が参加したものは以下のような感じでした。
- 宿泊無しで参加できる(主催者はテント泊していた)
- 意外と身近な場所だった(私の通勤途中の駅からバスで行かれるキャンプ場で、アクセスが良かった)
- イス以外の道具はすべて主催者が整えてくれた(キャンプ場でレンタルイスもあった)
- 主催者や数人の参加者が焚火に慣れており、基本を教えてくれた
- 串で焼いて食べるものを用意してくれ、焚火の楽しみ方も教えてくれた
- 使っている道具のことなども、質問したら教えてくれた
- 会費はワンコイン程度だった
「そんな知り合いいないよ!」と言われるかもしれませんが、SNSなどで情報を探していくと結構「焚火会」愛好者がいることが分かります。また、某地元の掲示板サービスには、「『焚き火』のメンバー募集」というカテゴリーがあり、全国で857件(2021年5月20日現在)の募集がありました。
もちろん、自分に合うかどうかはわかりませんし、純粋に焚火目的の人ばかりとは限りません。例え宿泊無しでも女性は注意が必要です。
主催者に意図や流れ、参加者の年代などを確認し、「行ってみたい」と思えたものに最初は友達を誘って行くことを検討してください。少しでも「合わなそう」と思ったら止めておきましょう(ココ、大事!なまけものたるもの、用心は怠らずに)。
また、こういうご時世ですので、人数が多すぎたり、大騒ぎすることが目的だったりする場への参加は見合わせた方が良さそうです(真のキャンパーを目指すなら、コロナ禍でのマナーも守るべき)。
焚火会よりハードルを下げるなら「キャンプイベント」
「知らない人といきなりは無理」という方は、イベントを探してみるのもおススメです。
焚火会とは少し趣は違いますが、キャンプ関連の製品(キャンプギア)を販売・製造している企業などがイベントを開いており、焚火台やテントなどのギアを体験するコーナーがあったりして、じっくり道具を見聞することもできます。ちょっと立ち寄って、雰囲気を味わうだけでも楽しそうです。
今年(2021年)の情報ですが、参考までに幾つかイベントを行っているキャンプギアメーカーとキャンプ関連イベントサイトをご紹介します。
GO OUT CAMP(静岡・福岡) http://www.gooutcamp.jp/
アウトドアデイジャパン(東京・福岡・名古屋・大阪) https://outdoorday.jp/
焚キ火ノ音(東京) https://takibi-oto.jp/
ウェブサイトを見ているだけでもキャンプに行きたくなりますね・・・イベントでは、自分で火起こしなどはできないかもしれませんが、メーカーの方が実演している場合が多く相談にものってくれます。是非、チェックして参加してみてください。
まだハードルが高い?!・・・焚火動画を見てみよう
「へ?動画を見るだけ?」と思われるかもしれませんが、これが結構ココロを引っ張られます。
YouTubeで「焚火」と検索すると、4Kで撮られたものや凝ったBGMが付いているもの、如何に焚火を素敵に見せるかとシチュエーションやカメラアングルにこだわったものと沢山出てきます。
私のおススメは、BGMなし、凝った演出無しで、「自分が楽しんでいる焚火」をそのまま撮影している焚火動画です。焚火でお湯を沸かしていてもいいですし、火の上に鉄板とお肉が乗っていても問題ありません。傍らで作業する音が入っていても良いかと。
変に作り込まれた動画よりも、より自然に近いほうが、そこで焚火している自分が想像しやすいのです。
さらに複数人とのキャンプで撮影されたものより、ソロキャンプで撮影されたものが、無駄な音が入っておらず浸れます。そういった焚火動画で一番有名なのは、某ヒロシさんでしょうか。
YouTubeの「ヒロシちゃんねる」にはHowToものも含め、色々なタイトルの動画がアップされていますが、数が多すぎるので焚火初心者におススメの動画を選んでみました。
「カエルの声と焚火」
遠くにカエルの声が聞こえる、焚火にフォーカスした動画。とにかく炎を見つめたい人に。
「アンガス牛の武骨焼き」
いつかやってみたいと思っている焚火。飯テロに耐えられる人向き。
「2019 秋 パップテントでソロキャンプ」
カルシファー(@ハウルと動く城)が生まれるところから。気が長い人向き。
・・・まったくの余談ですが、私ずっと、「ルシファー」だと思っていました・・・。
BGMや変に凝ったのいらんとか、先に言ってしまっていますが、色々なタイプの焚火動画があるので自分の好みを探してみましょう。
焚火は心の安定剤。だからこそソロで楽しめる
いかがでしょうか?焚火にちょっと惹かれましたか?(笑)
エッセンスって「本質」とか「真髄」といった意味がありますが、自然の中で「1/fゆらぎ」を存分に感じると自然と一体感が得られる・・・まさに自然を楽しむ真髄が焚火なのかもしれません。
じっと見ているだけで落ち着いたり、活力が湧くのでソロキャンプでもおススメの活動なんですよね。
「次のステップ」と言いながら、焚火動画というかなり前工程に戻ってしまった感じで〆ていますが、「ソロキャン なまけものスタイル」では、一歩進んで二歩下がるは当たり前!のんびり、ゆっくりキャンプの良さを味わって行きます!
次回は、動画も見たし、流れでキャンプギアも色々物色し始めてしまった貴方向けに、ソロキャンプでの楽しみの一つ「キャンプフード」からのアプローチをご紹介したいと思います。